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みーの初期研修

お医者さん1年目の「みー」が,医学に関する知識や日々感じたことをまとめています.

心揺さぶる声

先日,多発性骨髄腫の患者さんが入院し,みーが担当になりました.

その患者さんは,数年間原因不明の痛みに悩まされていました.最近になってやっと多発性骨髄腫による骨病変が痛みの原因だったのだと診断され,手術を行い,先日抗癌剤治療を開始しました.

患者さんに何度か会って話をしているうちに,みーに心のうちを話してくれました.いろいろな病院に行ったけれども原因が特定できず,痛み止めを出されるだけで,それでも痛みは改善されず,歩くのもままならなくなって心細い日々を送っていたそうです.最近やっと診断がついて,今は手術が無事に終わって痛みも消失し,自由に歩けて,多発性骨髄腫の治療も開始できることをすごく幸せに思っているそうで,話の最中に感極まって涙を流す場面がありました.

とても辛い経験をされた患者さんの話を,医者になってから初めて直接聞きました.心をすごく揺さぶる生々しい話でした.初めてのことだったので対応に少し戸惑いましたが,みーなりに一生懸命聞いて思いを受け止めたつもりです.会話の最後に,「みー先生,これからも抗癌剤治療をよろしくお願いいたします.」と深々と頭を下げられました.みーを医者として信頼していただいているのだなと思い,身が引き締まる気持ちで,病室を後にしました.

「患者さんに寄り添って共に病気を克服するのが医師患者関係の理想である」という教科書の一文の意味が少し分かった気がしました.