みーは血液内科医

血液内科医の「みー」が,医学に関する知識や日々感じたことをまとめています.このブログでは,みー(=運営者)は医学的助言を一切おこなっていません.情報の利用は自己責任でお願いします.間違いや意見がありましたら,該当記事のコメント欄に書き込んでください.

超速!心エコー術

先日,認知症の患者さんが大動脈解離を発症したため,循環器内科の先生にコンサルテーションしました. 患者さんはせん妄のため,ちょっとでも触ると激しく抵抗する状態でした. その先生はエコープローベを患者さんの胸に3秒ほど当てました.3秒間で記録さ…

医者とエンジニアの攻防

みーが初期研修医として働いていた時に,いくつかの病院に務める機会がありました. A病院の電子カルテは,A病院で作られたソフトウェアでした.A病院の昔の院長がパソコン好きで,世の中に電子カルテがほとんど普及していなかった頃から,電子カルテを自病…

誰だっけ?

主治医のA先生に,患者のBさんのことについて相談したときの話です. みー:「Bさんの治療方針ですが,標的病変への放射線照射は周囲の臓器障害を考慮すると困難なので,化学療法を6クール実施するのがよいと思いますがいかがでしょうか.」 A先生:「はい.…

時間になりました

とある日の朝,「14時にみーが患者さんに薬を投与するので,声をかけてください」と看護師にお願いをしました. そして,14:00になりました. 看護師:「14時になったので,薬の投与をお願いします.」 みー:「薬が来たんですね.分かりました,行きます.…

透析患者の外来予約

月水金に維持透析をしている患者さんが,別の病院の受診を希望したので,紹介状に「月水金に維持透析をしています」と付記して外来予約を手配したところ,「再来週の月曜日の9:30に外来予約しました」と返事が来ました. こんなに気が利かない病院を受診しな…

症例報告・レポートの効率的な作り方「症例集め」

症例報告を作成する上で重要なことは,「良い症例を選ぶ」ことです. 良い症例とは 抗生剤関連下痢症を例に考えてみましょう. 症例1 60歳,男性.多発性骨髄腫に対して化学療法中.発熱と低酸素血症のため受診した.胸部X線検査で浸潤影があり,肺炎と診断…

症例報告・レポートの効率的な作り方「チェックリスト」

レポートを指導医に提出する前に,自分である程度のチェックができれば評価が上がります.レポートの書式の流派は複数存在しますが,長いものには巻かれろの精神で,日本内科学会の書式に従うのが無難だと思います. 新内科専門医制度の導入に伴って,資料が…

症例報告・レポートの効率的な作り方「経過表のサンプル」

症例報告をしなければならず,発表資料を作っているけれども,何をどうすればよいか分からないことの1つに「入院後経過」が挙げられます. 文章で説明するのは簡単ですが,パワーポイントを用いた発表形式の場合は,スライドに文章のみを示しても全く魅力的…

症例報告・レポートの効率的な作り方「経過表の作成」

初期研修のレポートや,新内科専門医のレポートなど,症例報告をする機会は多いですが,経過表を作るのが辛いです. そもそも経過表とは,治療過程を示すために,検査データや治療内容などをグラフにまとめて1つの図にしたものです.例えばこのような図です…

症例報告・レポートの効率的な作り方「検査所見の書き方」

初期研修のレポートや,新内科専門医のレポートなど,症例報告をする機会は多いですが,検査所見を作るのが辛いです. 最終的にこのような形が要求されます. *1 電子カルテのデータをこのような形に直すのはかなり時間がかかります. 単位の修正には注意が…

パソコンの抗真菌薬

パソコンショップを覗いたら,ファンガードが売っていました.パソコンのファンを保護するものです. ファンガードといえば,抗真菌薬「ミカファンギン」の商品名です.名前の由来は, FUNgus(真菌)から GUARD(防御)するの下線部から Funguard と命名した。*…

退職?

ある日の病棟にて. A先生:「師長!引退や.」 B師長:「私はまだ引退しませんよ.」 A先生:「間違えた.退院や.Cさん退院なるで.」 とても平和な一日でした.

CHOP, CVP, CHP

血液内科領域のレジメンでは,足し算引き算で名前がややこしく変わります. 例えば,CHOP療法は悪性リンパ腫の治療の基本となるレジメンです. CHOP療法(シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾロン) それぞれの薬の頭文字を繋げ…

在宅に興味があるのに途方にくれる家族

とある患者さんが入院しました.病気のため自分では何もできない状態でした.数年間施設で暮らしていたようで,病状の悪化を契機に今後の方針を家族と相談しました. 子供:「施設に預けていると,どうしても疎遠になっちゃって.家から施設まで距離があって…

カンファレンスの指定席

みーが働く病院では朝にカンファレンスがあります.基本的には自由席で,誰がどこに座ってもよいのですが,一部の先生の席は暗黙のルールで決まっています. みーの上司のA先生が必ず座る席があり,あまりにもA先生専用のオーラが出ているので,他の誰もその…

病理解剖の部屋にGoogle Homeを設置してほしい

病理解剖に立ち会う機会がありました.みーはシュライバーとして,病理の先生が仰る所見を紙に記録するのが仕事でした. 病理の先生:「右肺は690 g」 みー:「はい,右肺は690 gですね.」(紙に記録する) 病理の先生:「左肺は390 gで外見に異常なし」 みー…

抗生剤が無効の発熱

「50歳の男性で,骨髄腫の治療を受けている患者さんが発熱し,CZOP*1を投与しましたが解熱せず,抗菌薬無効です.よろしくご加療ください.」と紹介状をいただいたので診察したところ,症状は発熱・咽頭痛・鼻汁・喀痰・咳嗽・関節痛で,咽頭発赤あり,念の…

1日3食そうめん

化学療法で入院中の女性患者さんが食欲不振となり,「そうめんならすすーっと食べられるかしら」とおっしゃいました.その後カルテを見ると,朝昼晩3食そうめんになっていて,食塩相当量が 19 g/日 になっていました.食塩相当量は 7.0 g/日未満が推奨*1され…

妻の根回し

腰椎圧迫骨折の患者さんが入院となり,骨粗鬆症の治療を開始しました.リハビリの目標を相談した際に,妻が「掃除機をかける動作を目標にしましょう」と提案されました.リハビリ開始直後は腰痛で辛そうでしたが,家族や看護師,理学療法士に励まされ,次第…

Intelの脆弱性「MDS」

2019年の5月に,IntelのCPUに関する新たな脆弱性が報告され,Microarchitectural Data Sampling (MDS)と名付けられたそうです. On May 14, 2019, Intel and other industry partners shared details and information about a new group of vulnerabilities …

ショックな夢

とある患者に薬を点滴投与し始めた直後,意識障害,便失禁,収縮期血圧 60 mmHg という状況になり,アナフィラキシーショックを発症したと判断して,即座に点滴を止めて,「アドレナリン 0.3 Aを用意してください!」と叫びながら,モニターを装着しながら点…

主訴:口臭

症例:50歳 女性 主訴:口臭 現病歴:来院日の朝から口臭を自覚し,舌癌を心配して来院した. 既往歴・併存症:なし アレルギー:なし 内服薬:なし 身体所見:口腔内は腫瘤や発赤なく,歯垢や歯石なし.ニンニクの臭いあり. この患者さんはニンニクが苦手…

他院からの紹介患者は必ずイマイチ

他院から紹介される患者の治療内容や状態はイマイチなことが多いと感じています.ついつい,なんでこんな状態まで放置するんだ,なにも検査してないぞ,などと愚痴をこぼしてしまいます. しかし,よく考えると,紹介元の病院では適切な診療ができないから紹…

点滴で調子が悪くなる

発熱性好中球減少症で状態が悪化した患者さんに,いつものように抗生剤を点滴投与していました. 患者:「先生,点滴外してください.」 みー:「どうしてですか?」 患者:「点滴が始まると必ず体調が悪くなるからです.これがなければ体調が良くなると思う…

肺炎患者が多いと言うけれど

肺炎患者が多いので,みーが勤務する病院には肺炎当番という制度があり,内科系の診療科が順番に持ち回りします. 先日,肺炎当番だから担当しなさいと,肺炎の患者さんを入院で診療するように言われました. その患者さんを評価したところ,典型的な市中肺…

頻尿なのに

頻尿を主訴に来院した患者さんに対して,膀胱炎が疑われるので尿検査をしましょうと提案しました. しばらくしても結果が出ないので様子を見に行くと,「尿が出ないです」と言われました. 「それは頻尿ではないです」と言いたくなったのをグッとこらえたみ…

既往歴:キーパーソン

タイトルにおかしな所がありますが,気づきましたか? 既往歴にパーキンソン病があると見間違った読者も多いのではないかと思いますが,「パーキンソン」と「キーパーソン」はあまりにも似ています.

話しませんという話

とある講演会の開会式の出来事です. 司会の先生:「今回,特別講演をご発表いただきますA先生は,***について大変素晴らしい業績をお持ちで,A先生の業績は皆様周知のことと思いますので,今回の挨拶では敢えて話をしないでおこうと思います.それでは,…

とりあえずヤバイらしい症例

A先生から電話がありました. 「今度の患者さんやねんけど,あのね,すごいことが書いてあるねん.これは外科のカルテやねんけど,いや,すごいことやね,これ.うん.もともと精神科にかかっているみたいやねんけど,困った.これね,ちょっと先生の意見を…

βDグルカンの偽陽性に振り回されない

80歳台の男性,多発性骨髄腫で,IgGが200 mg/dL (基準値 870-1700) の患者さんが発熱しました. 易感染性宿主のため,血液培養含め血液検査と尿検査と胸腹部CTを行いました.CRP 0.6 mg/dL,画像所見含めて感染症を示唆する所見に乏しかったのですが,ひとま…